大停電の夜に

大停電の夜に スペシャル・エディション (初回限定生産) [DVD]

クリスマスイブの東京。それぞれがそれぞれのクリスマスイブを過ごしている中、急に東京中が大停電になった。再会した昔の恋人を自分のジャズバーで待ち続ける木戸。その木戸の店を向かいからずっと見つめている蝋燭屋ののぞみ。不倫の恋人である上司をホテルの部屋で待ち続ける美寿々。恋人の待つ上海へ帰るのを楽しみにしつつ不安なホテルマンの冬冬。父親に突然本当の母親のことを聞かされた佐伯。元恋人への思いに揺れながらも、なんとか踏みとどまろうとする静江。刑務所から出てきて真っ先に愛する女の元へ向かった元ヤクザの銀次。昔の男のことを封印し、真逆の男との結婚を選んだ礼子。一人で冬の空を見上げていた人工衛星マニアの翔太。病院の屋上で自分の運命と闘うモデルの麻衣子。昔手放した息子から何十年ぶりかに電話がかかってきた小夜子。妻の突然の告白を聞いていたたまれなくなって飛び出してしまった義一。真っ暗になった東京の中、それぞれの想いが静かに動いていく。

ものごっつ期待して見ただけに正直微妙でした。嫌いじゃないし登場人物多い割には人物像が明確だし(本郷奏多くん以外!)それぞれの想いも分かるし。
でもなんかこう、イマイチぐっとくるものがなかったんですよね。
ちなみにこの映画を一言でいうと「世界って狭いね」てな感じでほぼみんな繋がってます。静江の夫が佐伯で佐伯の不倫相手が美寿々で美寿々がホテルで冬冬とエレベーターに閉じこめられる。銀次の愛する女が礼子で、礼子が産気づいたところを止まった地下鉄の中からおぶって出てきた銀次(と礼子)を助けたのがアメ車を盗んでぶっとばそうとしていた(でも渋滞にはまってた)義一で義一の妻が小夜子で小夜子の生き別れた息子が佐伯。義一と銀次は礼子が無事に出産するのを見届けた後木戸のバーに行き、そこで偶然鉢合わせたのが美寿々で、木戸は絶対必要になるから、と蝋燭を持ってきてくれていたのぞみと二人で昔話をしながら昔の恋人の静江を待っている、と。麻衣子と翔太だけが完全に切り離されてるんですよね。
いやーそれにしてもこの東京の中でこれだけ偶然で繋がるのは奇跡だわほんとに。ザ・ドラマ。
銀次が礼子の無言の告白によって知った自分の子・仁矢にサンタの格好をして会いに行くところは泣けました。しかも仁矢が「また会える?」って聞くんですよね。また会いたい、会いたいけど会っちゃいけないっていう銀次の寂しさが泣けました。改心した頃には遅いんですよね。
東京が真っ暗になる事なんてそうそうないことだと思うけど、電気の人工的な色を排した生の東京というのを、私もちょっと見てみたくなりました。
そんな夜には、彼らのように「こんな夜だから」と今まで言えなかったことが口をついて出るのかもしれません。
期待しないで見ると、ちょっとほんわかした気持ちになれるかも。