ニライカナイからの手紙

超ネタバレな上に激長です。
ニライカナイからの手紙 [DVD]

「水平線の向こうにはね、ニライカナイがあるんだよ」風希が小さいとき、おっかあは島を出ていった。それ以来おっかあは島に帰らない。たったひとつのつながりは、毎年の風希の誕生日に届くおっかあからの手紙だけ。「風希ちゃんお誕生日おめでとう」風希は郵便局員のおじいと二人暮らし。竹富は好きだけど、おっかあのことが気にならないと言えば嘘になる。おじいは20才になるまで島を出てはいけないと言う。そしておっかあも、14歳の時の手紙に「20才になったら全部説明する」と書いていた。しかし18才の風希は、20才を待たずに島を出る決意を固める。父が愛したカメラを東京で勉強しようと思ったのだ。何かと世話を焼きたがる幼なじみのカイジが一緒に行くと言ったが、結局風希は一人で東京へ出た。東京について真っ先に、風希はおっかあからの手紙の消印の郵便局へ行ったが、手がかりはつかめなかった。カメラマンの助手の仕事に忙殺され息つく暇もない生活。竹富での生活とは大違いだ。いつしか、風希は写真を撮ることを忘れていた。「風希、19才の誕生日おめでとう」上京してもうすぐ1年がたとうとしていたある日、風希が仕事の後かたづけをしているとカイジがやってきた。カイジが差し出したのはおっかあからの手紙。忘れていた誕生日。カイジは何か言いたそうにしていたが、結局言わずに帰っていった。「来年の誕生日、朝10時に井の頭公園の弁天橋に来てください」その日から、風希は自分の写真を撮り始める。カイジが誕生日プレゼントにくれた大きな透明の球。道行く人にそれを持ってもらって写真を撮る。試行錯誤しながら、風希は自分の写真を撮り続ける。そんなある日、沖縄にいたとき相談に乗ってくれていた元モデルのレイナの計らいで、風希はある写真コンテストを知る。年が明けた。風希がおっかあと会える誕生日まで、あと1ヶ月弱。風希は毎日カレンダーを×で消していく。誕生日の日、風希はカメラ雑誌を持って井の頭公園へ急いだ。弁天橋に人の影。風希が近づこうとすると、弁天橋の袂におじいがいた。「おっかあが今どんな暮らしをしていてもいいから会いたい!」コンテストの佳作に入った自分の写真をおじいに見せて風希が訴える。おじいが風希に渡す手紙を探っているうちに、風希は走り出した。「もういい!自分で探す!」風希はあの消印の郵便局へ行ってどうしても教えてもらえないかと局員に訴える。後ろから顔を出した局長は以外にも自分に声をかけた。「風希さん、どうしてここへ」局長はすべてを教えてくれた。「あのとき、まだ風希さんは7才で・・・」すべてを知った風希は、大急ぎで島へ帰る。その頃、おじいもまた、郵便局長を訪ねていた。「今までどうもありがとうございました」風希へのおっかあからの手紙を握りしめながらおじいは頭を下げる。「その手紙を渡した方がいいですよ。私たちの仕事は手紙を届けることですから」風希が島に着いた。急いで家に帰るとまだおじいは帰っていない。その時風希の目に入ったのは、ずっと父の写真が飾られていた仏壇。そこには今、おっかあの写真も並べて飾られていた。カイジが息せき切って走り込んできた。「どうした風希」「おっかあが・・・おっかあが死んでた!」カイジにすがりつき、風希は泣き崩れた。夜になった。おじいはまだ帰ってこない。島の人々が一人、また一人と風希の家を訪ねてくれた。そして、おじいが帰ってきた。おじいが差し出した一通の手紙。「あなたがこれを読んでいるということはもう知ってしまっているのでしょうね」おっかあは風希が7歳の時に病気で死んでいた。自分も幼い頃に母を亡くしたおっかあは、どうしても自分がいなくなってしまうことを受け止められなかった。そんな時、おじいがおっかあに手紙のことを持ちかけた。しかし、そうすればおじいはずっと風希に嘘をつかなければなくなる。でもおっかあは自分がかけて欲しかった言葉を風希にかけてやりたかった。そして、14年分の手紙を書き始める。すべてを知った風希は、今までもらった母の手紙を読み返し、その時々を思い返す。そして次の日、郵便物の改修に向かったおじいは、ポストの中から一通の手紙を見つけだす。「安里照栄様」風希からおじいへの手紙だった。

あらすじ書いてても既に半泣きで会社で恥ずかしいんですけど!
主に自分が泣いたところは結構省略して書いてるので、もしちょっと興味を持たれた方は是非見てみてください。竹富島の自然がもうほんとに綺麗で、冒頭風希親子が砂浜というか海の中州みたいなところで砂遊びをしてる光景だけで引き込まれました。
私は「ニライカナイ」の意味をよく知らないで見たので、途中までお母さんは風希を捨てたんだと思ってた。手紙もお母さんじゃなくて他の人が頼まれて書いてるんだと思ってました。
でも途中で何となく「これもしかして死んでるじゃね?」と思い始めて、弁天橋におじいがいたあたりからずっと最後まで泣き通しでした。
ほんとに映画館で見なくて良かった。ちょっと恥ずかしいくらいしゃくり上げて泣き続けてしまったので、外だったらえらいことになってた。マジな話、ティッシュの山ができました。
人によって感性は違うと思うから誰でも泣けるって訳ないと思いますが、私の泣きツボにがんがん入ってきて、ほんとに後半1時間くらい泣きっぱなしでした。
幼い風希を残して死んでいく母親。ずっとずっと風希に嘘をつきつづけていたおじい。そしてやっと会えると思ったのに会えなかった風希。なんかみんなの想いが溢れていて、たまりませんでした。
やっぱいいね、蒼井優ちゃん。最高だな。
そしてカイジ役の金井勇太くんがものごっつ良かったです。二人とも沖縄ことば頑張ってて、金井くんの沖縄ことばが最高でした。東京では風希って「ふ」が高くて「き」を低く発音して呼ばれてるんですけど、竹富では「き」の方が高いんですよね。その呼び方が優しくていいなあと思いました。
そして何と言っても回想シーンで風希が他の男の子を見つめていることに気づいちゃうカイジ、ってのがもうこれなに!どう!ってくらい甘酸っぱくて、泣いてる中でにやけてしまいました。最高。
これの初回を手に入れたいんですがもう売ってないんですよね・・・残念。