パッチギ!

井筒さんというとあのなんかうさんくさい風貌&物言いがどうしても思い浮かんでしまって、正直レンタル屋で迷ったのですが、借りて正解でした。
舞台は1960年代の京都。日本の高校の生徒VS朝鮮高校という大枠の中で、主人公の日本男児が戦争とは何か、対立とは何か、そして友情とは、愛情とは何かを模索していく物語(だと思った)。
主人公・康介に塩屋瞬。朝鮮学校の番長・アンソンに高岡蒼佑。アンソンの妹で主人公が思いを寄せるキャンジャに沢尻エリカ
以下ネタバレ含むので注意!











いやはや良かった!何が良かったって真木よう子が最高だった!
冒頭のパンチパーマの迫力もさることながら、家の事情が厳しくて学校やめる、ひいてはアンソンの嫁さんになって一緒に祖国に帰ろうかな、と言うところのそこはかとなく漂うアンソンへの叶わぬ恋心。
そして、駅でアンソンの彼女・桃子(実は妊娠発覚直後)にばったり出会ったときの言葉に含められた嫉妬。
看護婦になって病院で働きながらお腹の大きい桃子に出会ったあと、アンソンの家に乗り込んでいきなり平手したときの複雑な感情。
子供が生まれると言いに走ったときの強烈な跳び蹴りと、そのあと腰をさする姿(久しぶりだから?)。
そして最後、桃子が出産を終え、アンソンに子どもを抱かしながら、「パパ」と呼ばれたアンソンに対して放たれた「パパってどちらさま?」。
いやー最高だった。
話としても、私たち日本人が目を背けて通っているところをがっつり教えてくれて、勉強になりました。
私が住んできた土地にはああいった昔で言う「部落」のようなものはなかったので、目を背けると言うよりもずっと存在自体も知らなかった。
でも、朝鮮半島から強制的に連れてきたのは日本人であるし、そしてそうして連れてきた人たちを差別して来たのも日本人であること、そういうことをもっと知らなければ、と思った。
まじめな話を蕩々としてもアレなので、ここいらにしておきます。
塩屋きんは恋するハニカミ!においての山口もえとのデートが印象に残りすぎていて、なんかこう、最初からニヤニヤしながら見てしまいました。
沢尻さんは初見。かわいいね。お子さま体型でいいね、と思ったらHP見たらちゃんとモデルみたいな体型だった。
洋服でこうも印象が変わるものか。
高岡くんの演技は安心して見られます。ハングルをいとも簡単そうに操っていたのですが、覚えるのは大変だっただろうなあ・・・。
高岡くんの仲間役の波岡一喜くんは「どっかで見たなあ、どっかで見たんだよなあ」と悶々とした挙げ句、出てきた答えは「海猿」において死んだ父ちゃんの時計を探し続ける息子の役の人でした。
オダギリジョー、HPにてモデルは現THE ALFEEの坂崎さんと書いてありましたが、えー再登場したときのかっこは昔の鶴瓶かと思いました。ギター本当に弾けるのかなあ。
光石研、さいっこう!
小出恵介くんは、途中からぱったりと見なくなったと思ったら最後に申し訳程度にその後が。
あと、こうDVD返しちゃったので分からないんですが、キャンジャの友達で一番最初に朝鮮学校の援軍(つーかすごすぎる人数。バスを倒せちゃうくらい)を呼びに行った女の子の名前が知りたい。
暴力的描写はむしろ心配していた「オッサン」より多かったのですが、途中何ヶ所か顔を背けましたが、概ね大丈夫でした。
嘘だと分かっているからかもしれません。
あ、でも「オッサン」においては堤真一はゆっくりだけど本当に殴られたんですってね。
口の中が血だらけになったこともあるそうです。
しかも「役作りは特にしませんでした!」って言い切ってて、さすが真一、元JAC。